ヘルスケア(医療・介護)のM&A費用・手数料|病院や施設が損をしないための料金ガイド

ヘルスケア業界(病院・介護施設・調剤薬局)のM&Aにかかる費用と仲介手数料を徹底解説。医療法人特有の「出資持分」譲渡の税金や、施設系介護で注意すべき移動総資産ベースの手数料の落とし穴、さらには消費税を抑えるスキームまで網羅しました。

目次

  1. ヘルスケア業界のM&Aにかかる費用の全体像
  2. M&A仲介手数料の仕組みとレーマン方式
  3. ヘルスケア事業者(病院・介護施設)が陥る手数料の落とし穴とは
  4. 手数料以外にかかる実費と行政コスト
  5. 会社売却にかかる税金(譲渡所得税・法人税・消費税)
  6. ヘルスケア事業者が選ぶべきM&A相談先と費用対効果
  7. M&A総合研究所の料金体系がヘルスケア企業に適している理由
  8. ヘルスケア・医療関連のM&A成功事例【M&A総合研究所 成約インタビューより】
  9. 手取り額を最大化するための節税・コスト削減方法
  10. まとめ

「医療法人や介護施設を譲渡した際、最終的に手元にいくら残るのか?」

ヘルスケア業界の経営者様にとって、M&A費用の問題はリタイア後の生活設計を左右する極めて重要な関心事です。医療・介護・薬局のM&Aは、一般的な事業会社と比較して許認可の手続きが煩雑であり、かつ建物や高額な医療機器といったハコモノの資産価値が大きいため、手数料や税金の構造が複雑になりがちです。

特に注意すべきは、仲介会社が提示する手数料の計算基準です。借入金で施設を建設している場合、計算のベースが負債を含めた総資産なのか純粋な株式価値なのかによって、支払う手数料に数千万円の差が生まれます。また、事業譲渡と株式譲渡では課税の仕組みが異なり、スキームの選択を誤ると多額の税金で手残り額が大幅に削られるリスクがあります。

本記事では、ヘルスケア事業者がM&Aで損をしないために、仲介手数料の相場からレーマン方式の裏側、実務で発生する専門家への実費、そして節税対策までを網羅的に解説します。長年地域医療や福祉に捧げてきた情熱の対価を、適正な形で受け取るための実務的な指針としてご活用ください。

ヘルスケア業界のM&Aにかかる費用の全体像

ヘルスケア業界のM&Aにかかる総コストは、大きく分けて仲介会社への手数料、専門家への実費、そして国への税金の3つの階層で構成されます。医療や介護の現場は、許認可の維持や行政との調整が不可欠なため、法務や行政手続きにかかるコストが他業種よりも発生しやすい傾向にあります。

また、病院や老人ホーム、サ高住などは建物や設備の価値が大きいため、取引金額自体が高額化しやすく、それに比例して手数料や税金も重くなる特徴があります。表面的な手数料率だけに注目するのではなく、諸経費をすべて差し引いた後の最終的な手取り額を事前にシミュレーションしておくことが極めて重要です。

特に医療法人の場合、出資持分の評価額が長年の内部留保によって高騰しているケースが多く、税金のインパクトは仲介手数料を上回ることも珍しくありません。後悔のないバトンタッチを実現するためには、M&Aプロセスの初期段階で全体のコスト構造を正確に把握しておくことが求められます。

M&A仲介手数料の仕組みとレーマン方式

M&A仲介会社に支払う報酬は、一般的にレーマン方式と呼ばれる計算式を用いて算出されます。これは、取引金額の大きさに応じて手数料率が段階的に下がっていく仕組みです。しかし、会社によって支払うタイミングや、計算の基礎となる対象額の定義が大きく異なる点に注意が必要です。

ヘルスケア領域の経営者様が納得感のある取引を行うためには、この報酬体系の細部を理解しておく必要があります。不透明な費用項目に翻弄されないよう、標準的な基準を把握しましょう。

報酬体系の4つの内訳

一般的なM&A仲介会社の報酬体系は、着手金、中間金、月額報酬、成功報酬の4つに分かれます。着手金はアドバイザリー契約時に支払う費用で、相手が見つからなくても返金されません。中間金は基本合意締結時に発生し、月額報酬はコンサルティング料として毎月定額を支払う形式です。

ヘルスケア業界のM&Aは、保健所や厚生局との事前協議、あるいは管理医師の調整などにより、交渉期間が想定より延びるケースが多々あります。そのため、月額報酬型を採用している会社に依頼すると、期間の延長に伴いランニングコストが雪だるま式に嵩むリスクがあります。

近年では、これらの初期費用や固定費を一切排除した完全成功報酬型の仲介会社も増えています。不確定な要素が多い医療・介護の現場において、成約するまで1円も費用が発生しない体系は、経営者様のリスクを最小限に抑えるための賢明な選択となります。

レーマン方式の基本計算

レーマン方式の基本は、取引金額を5億円以下、5億円超10億円以下といった階層に分け、それぞれに異なる料率を掛けて合計する累進的な計算です。標準的な料率テーブルでは、5億円以下の部分には5%、5億円から10億円の部分には4%といった設定がなされています。

例えば、取引金額が3億円であれば、3億円の5%で1500万円が仲介手数料の目安となります。計算式自体は単純ですが、次章で詳述するように「何を取引金額とみなすか」という算出基準の定義こそが、ヘルスケア経営者が最も警戒すべきポイントです。この定義一つで、支払う手数料が数百万円単位で変動することを忘れてはいけません。

ヘルスケア事業者(病院・介護施設)が陥る手数料の落とし穴とは

病院や施設系介護を運営する経営者様にとって、最も警戒すべきなのが手数料の算出基準であるベース金額です。同じレーマン方式という名称であっても、料率を掛ける対象が負債を含めた総資産なのか、それとも純粋な株式価値なのかによって、金額が倍以上に変わるからです。

東海の製造業と同様に、ヘルスケア業界も多額の設備投資を伴う装置産業的な側面を持っています。計算基準の定義を誤ると、売却代金の多くが手数料で消えてしまう手数料負けの状態に陥ります。ここでは、医療・介護経営者が直面しやすい具体的な落とし穴を解説します。

移動総資産ベースの危険性

移動総資産ベースとは、実際に売り手の手元に入る株式の対価だけでなく、その法人が抱えている借入金などの負債をすべて足した総額に対して料率を掛ける方式です。借入金で施設を建設したり、高額なMRIやCTをリース導入している医療・介護事業者の場合、総資産が膨らんでいるため手数料が跳ね上がります。

例えば、資産10億円、うち銀行借入が9億円、純資産が1億円の医療法人のケースを想定します。移動総資産ベースの仲介会社は10億円を基準に計算するため、手数料は4500万円となります。オーナーが手にする対価は1億円ですが、その半分近い4500万円を手数料として支払えば、税金を差し引くと手元にはほとんど何も残りません。

多額の負債を抱えて地域医療を支えてきた経営者様にとって、この方式は著しく不合理な負担となります。契約を締結する前に、算出基準が移動総資産になっていないかを厳格にチェックすることが、大切な資産を守るための必須条件です。

株式価値(譲渡対価)ベースのメリット

株式価値ベースとは、売り手である経営者が実際に買い手から受け取る金額のみを基準に手数料を計算する方式です。前述の株式価値1億円、負債9億円の例で計算すると、この方式では1億円に対して料率が掛かるため、手数料は500万円で済みます。

移動総資産ベースの場合と比較して、支払額に4000万円もの劇的な差が生じることになります。借入金をして最新設備を導入し、質の高いケアを提供してきた努力が、手数料の増大という形で裏目に出ないように、株式価値ベースを採用する仲介会社を選ぶのが合理的です。

当社のようにオーナー様の手取り最大化を掲げる会社であれば、この方式を標準として提供しています。借入金の多いヘルスケア事業者にとって、この算出基準の選択こそが、M&Aを成功させるための最大の分かれ目となります。

最低報酬額(ミニマムフィー)の設定

料率計算とは別に、多くの仲介会社が定めている最低報酬額も、小規模なクリニックや薬局にとっては大きな負担となります。大手仲介会社の多くは、最低報酬額を2000万円程度に設定しているケースが一般的です。

例えば、譲渡価格が5000万円のクリニックにおいて、本来の料率5%であれば250万円の手数料です。しかし、最低報酬額の規定により、問答無用で2000万円が請求されることになります。これでは売却代金の4割が手数料で消えてしまい、オーナー様が受け取る利益は著しく毀損されます。

自社の売却見込み額に見合った、適切な最低報酬を設定している仲介会社を選ぶことが、損をしないための防衛策となります。地域に根ざした小規模な医療・介護事業を適正なコストで引き継ぐためには、このミニマムフィーの壁を慎重に確認しておくことが求められます。

手数料以外にかかる実費と行政コスト

M&Aのプロセスにおいては、仲介手数料以外にも、買い手側や売り手側が負担する諸費用が発生します。特にヘルスケア業界は許認可ビジネスであるため、行政手続きや専門的な調査費用が他業種よりも発生しやすいという特徴があります。

これらの実費を誰がどの段階で負担するのかは、最終的な譲渡価格の調整に反映されます。あらかじめ発生しうる費用の項目を整理しておくことが、スムーズな交渉の土台となります。

デューデリジェンス(買収監査)費用

デューデリジェンスとは、基本合意後に買い手側が専門家を雇い、売り手企業の財務、法務、労務、そして医療・介護の実務状況を詳細に調査するプロセスです。この費用は、原則として買い手側が負担することが一般的であり、売り手側に直接的な支払いは発生しません。

ただし、ヘルスケアM&A特有の医療DDや介護DDでは、レセプト請求の適正性や人員配置基準の遵守状況などが厳しく精査されます。これに対応するために、売り手側も過去数年分の資料を整理・準備する工数コストがかかります。また、資料整備を自社の顧問税理士に依頼する場合、別途日当などの手数料が発生することもあります。

DDの結果、不備が見つかれば減額交渉の材料とされるため、事前の資料整理は欠かせません。情報の透明性を高めておくことが、買い手の調査コストを下げ、結果としてスムーズな高値売却へと繋がります。

行政書士費用と許認可申請

ヘルスケアM&Aが完了した後、あるいは事業譲渡を実行する際には、膨大な行政手続きが必要となります。役員変更届や定款変更、さらには事業譲渡の場合の廃止届と新規指定申請にかかる手続き費用です。

特に病床機能の変更を伴う病院M&Aや、介護事業所の指定申請は専門性が極めて高く、手続きを誤ると保険診療が止まる空白期間が生じかねません。そのため、医療・介護に精通した専門の行政書士に依頼することが一般的であり、その報酬として数十万円から、規模によっては数百万円単位の費用が発生します。

これらの行政コストをどちらが負担するのかも、重要な交渉項目の一つです。行政手続きのミスは事業価値を致命的に損なうため、コストを惜しまず実績のある専門家を起用することをお勧めします。

会社売却にかかる税金(譲渡所得税・法人税・消費税)

M&Aで得た売却益には、必ず所得税や法人税などの税金が課されます。ヘルスケア経営者様が手にする最終的な現金を決めるのは、売却額ではなく税引き後の残額です。

売却の手法によって適用される税目と税率が大きく異なるため、事前の税務シミュレーションは欠かせません。内部留保が厚い歴史ある法人の売却では、税金の影響は仲介手数料以上に大きくなることもあります。主要な2つのスキームにおける税金の仕組みを詳しく解説します。

出資持分譲渡・株式譲渡の場合(所得税・住民税)

個人株主が株式や出資持分を売却する手法は、中小企業M&Aで最も多く採用されます。この場合、経営者個人に譲渡所得税がかかります。税率は譲渡益に対して一律で約20%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)の分離課税となります。

長年の利益蓄積がある医療法人の場合、この20%という固定税率は非常に大きなメリットとなります。もしこれを配当として受け取ろうとすれば、総合課税として最大約55%の税率が課される可能性があるからです。M&Aによる売却は、適正な創業者利益を確保しつつ、税負担を最小限に抑えるための有力な資産承継手段と言えます。

ただし、出資持分のない法人の場合は手続きが異なります。自社の法人がどちらのタイプに該当するかを事前に確認し、専門家のアドバイスを受けることが重要です。

事業譲渡の場合(法人税・消費税)

会社の一部門や特定の施設だけを売却する手法が事業譲渡です。この場合、売却代金を受け取るのは会社であるため、売却益に対して約30%から34%の実効税率で法人税が課されます。

さらに、事業譲渡において忘れてはならないのが消費税です。事業譲渡は資産の売買とみなされるため、土地を除く建物、医療機器、薬品在庫、のれんなどはすべて10%の消費税の課税対象となります。病院や介護施設の建物評価額が高い場合、消費税だけで数千万円から億円単位のキャッシュアウトが発生し、資金繰りに大きな影響を与えます。

買い手にとっても消費税分の支払い負担が増えるため、価格交渉に悪影響を及ぼすこともあります。税制面および資金効率の面から見ると、ヘルスケアM&Aにおいて事業譲渡は株式譲渡に比べて不利になるケースが多いことを理解しておくべきです。

ヘルスケア事業者が選ぶべきM&A相談先と費用対効果

M&Aを成功させるためには、誰に相談するかという選択がトータルコストと成果に直結します。ヘルスケア領域は制度ビジネスであるため、専門知識の有無が行政手続きミスによる操業停止リスクや、不当な減額を防ぐ砦となります。

地元の地銀や顧問税理士、そして全国展開する仲介会社。それぞれの費用対効果を冷静に比較検討することが求められます。自社の将来を託すにふさわしいパートナーの見極め方を整理します。

顧問税理士や一般仲介会社

日常的な会計処理を担う税理士や、業種を問わない総合型の仲介会社は、初期相談のハードルは低いです。しかし、医療法や介護保険法に詳しくない担当者がスキームを構築すると、許認可の引き継ぎで致命的なトラブルを招く恐れがあります。

例えば、保険医療機関の指定を途切れさせないための遡及適用の知識がないまま進めると、診療報酬が請求できない空白期間が生じ、多額の損失を生みます。一般仲介会社では、ヘルスケア特有ののれん代を正当に評価できず、安値で売却される機会損失のリスクもあります。目先の着手金の安さだけで選ぶと、最終的なトータルコストで損をする可能性が高まります。

ヘルスケア専門チームを持つ仲介会社

ヘルスケア専門チームを持つ仲介会社は、医療・介護特有の法規制や報酬体系を熟知しています。仲介手数料は発生しますが、それ以上の価値を提供できるのが強みです。

例えば、事業譲渡ではなく、会社分割や吸収分割といったスキームを活用することで、建物の譲渡にかかる多額の消費税を回避する提案ができる場合があります。また、医療・介護に特化したDDを事前に行うことで、破談リスクを排除し、最高値を提示してくれる全国の買い手候補とマッチングさせることが可能です。専門知識に裏打ちされたスキーム構築こそが、最終的な手取り額を最大化させるための鍵となります。

M&A総合研究所の料金体系がヘルスケア企業に適している理由

M&A総合研究所は、資産規模が大きく負債を抱えやすいヘルスケア企業の特性に合わせた、極めて合理的でリスクのない料金体系を採用しています。私たちは、経営者様が築き上げた価値を損なうことなく、次世代へ繋ぐことを最優先に考えています。

なぜ当社のシステムが病院や介護施設の経営者様に選ばれているのか。その具体的な3つの理由について説明します。

譲渡対価ベース(株式価値ベース)の手数料

当社のレーマン方式は、有利子負債を含まない株式価値のみを基準に計算します。前述の通り、設備投資で多額の借入金があるヘルスケア事業者にとって、総資産ベースでの計算は致命的な負担となります。

当社では、どれだけ借入金やリース債務があっても、その負債分に対して手数料を請求することはありません。この株式価値ベースの採用により、他社と比較して支払手数料が数百万円から数千万円単位で安くなるケースが大半です。オーナー経営者様の手元に残る現金を一円でも多く増やすための、誠実な料金体系を徹底しています。

完全成功報酬制(着手金無料)

M&A総合研究所は、譲渡企業様に対し、着手金、中間金、月額報酬を一切いただかない完全成功報酬制を採用しています。医療・介護の現場は常に多忙であり、行政との協議が不調に終わるなど、不確定な要素が付きまといます。

当社であれば、成約に至るまで1円も費用がかかりません。万が一、交渉が途中で破談になっても、経営者様が金銭的な損害を被ることはありません。まずは自社の市場価値を知りたいという段階での無料査定や相談も、コストリスクを負うことなく気軽にご利用いただけます。不確実なものに先に身銭を切る必要がない、最も安心できる選択肢です。

医療・介護専門チームの知見

当社には、医療経営士などの資格を持ち、行政手続きやレセプト調査のノウハウを持つ専門チームが配置されています。無駄な実費や、不慣れな担当者によるコミュニケーションロスを極限まで削減し、最短期間での成約を目指します。

専門的な知識を持つアドバイザーが担当することで、買い手からの不当な減額要求を論理的に退け、適正なのれん代を確保します。時間を節約することも経営における大きなコスト削減です。スピーディーかつ正確なプロセス管理により、高い成約率と手残り額の最大化を両立させています。

ヘルスケア・医療関連のM&A成功事例【M&A総合研究所 成約インタビューより】

適切なパートナーを選び、費用対効果の高いM&Aを実現した企業の事例をご紹介します。これらの事例は、単なる費用の節約だけでなく、提携によって従業員の雇用を守り、提供するサービスの質をさらに高めたことを物語っています。

【栃木県・介護事業】株式会社ケアズ・コネクト|異業種への効率的な承継

栃木県で訪問介護などを展開していた、株式会社ケアズ・コネクトの事例です。経営者は高齢で後継者がおらず、地域の介護インフラを守るために最適なパートナーを求めていました。

最終的に、M&A総合研究所を介して東京の多角化企業であるJ.Canvas株式会社への株式譲渡が決まりました。この案件では、完全成功報酬制という合理的な手数料体系を活用し、不要なコストをかけずにスムーズな承継を実現しました。異業種の買い手に対して、介護事業の安定性と社会的意義を正当に評価させたことで、創業者としての正当な対価を得るとともに、従業員の雇用継続も約束されました。手取りを最大化し、無駄な支出を抑えた事業承継の好例です。

手取り額を最大化するための節税・コスト削減方法

手数料交渉をするよりも、制度やスキームを賢く活用して税金や支出を減らす方が、確実かつ効果的に手取り額を増やすことができます。ヘルスケア経営者様は勤続年数が長いケースが多く、活用できる優遇措置が多分にあります。

手取り最大化のための実務テクニックを理解しておくことは、経営者としての最後の重要な意思決定です。ここでは、特にインパクトの大きい2つの手法を解説します。

役員退職金の活用

譲渡対価の全額を株価として受け取るのではなく、一部を法人の役員退職金として受け取る手法です。株式譲渡益には約20%の税金がかかりますが、退職所得には大きな退職所得控除があり、さらに課税対象額が2分の1になるという強力な優遇措置があります。

医療法人の理事長は勤続30年以上ということも珍しくなく、このメリットを最大限に享受できます。控除額を適切に設計することで、手取りキャッシュを数千万円単位で増やせる可能性があります。ただし、適正額を超えると税務リスクがあるため、M&Aに精通した税理士との連携が必須となります。

消費税を考慮したスキーム選択

建物や設備の評価額が高い大規模な施設を譲渡する場合、事業譲渡ではなく会社分割スキームを活用することで、建物譲渡にかかる多額の消費税を非課税にできる可能性があります。

消費税は対価として受け取っても後に納税する必要があるため、これを回避できれば実質的なキャッシュアウトを大幅に抑えられます。ただし、会社分割には労働契約承継法などの複雑な法的手続きが伴うため、実施には高い専門性が必要です。スキームの工夫一つで億単位の差が出ることもあるため、専門チームを持つ仲介会社に相談することをお勧めします。

まとめ

ヘルスケア業界のM&A費用は、表面的な手数料率だけでなく、仲介手数料の計算基準、複雑な行政手続きの実費、そして税務スキームの選択という多層的な視点で捉える必要があります。病院や介護施設は資産規模が大きいため、適切な設計を行わなければ、手元に残る利益が大きく損なわれるリスクがあります。

M&Aを成功させるための実務的な判断軸は、どれだけ安く済ませるかではなく、どれだけ多くのキャッシュを適正に残すかにあります。医療・介護特有の制度を熟知した専門チームをパートナーに選び、株式価値ベースの手数料体系や退職金スキームを賢く活用してください。廃業を選択する前に、まずは自社の市場価値と最終的な手取り額を把握することから始めてみてください。M&A総合研究所は、ヘルスケア経営者様の想いに寄り添い、最良のバトンタッチを全力で伴走いたします。

ヘルスケアのM&A・事業承継のご相談ならヘルスケアM&A総研

M&A・事業承継については専門性の高いM&AアドバイザーがいるヘルスケアM&A総研にご相談ください。

ヘルスケアM&A総研が選ばれる4つの理由

①譲渡企業様完全成功報酬の料金形態
②最短43日、平均7.2ヶ月のスピード成約(2024年9月期実績)
③専門部署による、高いマッチング力
④強固なコンプライアンス体制

ヘルスケアM&A総研は、成約するまで無料の「譲渡企業様完全成功報酬制」のM&A仲介会社です。
無料で相談可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。

M&Aについての人気記事

人気ランキング